2018-01-28

月と太陽

【6年 月と太陽】

月や星を夜空を見上げて観察したことのある児童はほとんどいない。地域の事情から家で月や星の観察が難しい。そうした中で、月の見かけの形の変化が学習の中心では集中できない。模型を使って楽しくやりながら、宇宙への興味をかきたてるような学習にしたいと思って実践しました。

1.ねらい

・月は地球の周りを回り、地球が自転しながら太陽の周りを回っていることから、月と地球、太陽の位置関係が分かり、月の形が違って見える理由がわかる。
・太陽は自ら光を出し、月はその光を反射して光っていること、そのことから太陽と月の表面の様子がわかる。

2.学習指導計画

(1)教科書を見ると

①(教科書の写真をもとに)どうして月は輝いているのか話し合う
②月と太陽の位置を調べる→(観察)太陽に照らされて月や輝くから、月の輝く側に太陽がある。
③月の形の変わり方を調べる
④月の形の変わり方についてまとめる→月と太陽の位置関係が変わるから形が変わって見える
⑤月と太陽の形や表面のようすを調べる(図書館の本で調べる)
⑥やってみよう「月と太陽の表面のようすを調べよう」(遮光板で観察)
⑦「確かめよう」「学んだことを生かそう」

(2)学習指導計画

①日の出の時刻(地球の自転)
課題①〇月〇日、東京の日の出は5時17分です。沖縄では、どうですか(3択)
②月の形の見え方(1)   
課題②月の形が変わって見えるのはなぜか
③④月の形の見え方の変化(2)
課題③月の形はどのように変化して見えるのか。そのわけも考えよう。
⑤⑥太陽と月        
課題④月と太陽の表面の様子はどう違うのだろうか。
課題⑤月と太陽の大きさが同じに見えるのはなぜか。
⑦太陽系から(または、銀河から)宇宙へ

3.授業の記録

(1)日の出の時刻(地球の自転)

課題①〇月〇日、東京の日の出は5時17分です。沖縄では、
(1)東京より早い
(2)同じ
(3)東京よりおそい。

予想(  ) 理由

〇予想を聞いて、話し合いをする。(地球儀・投光機を用意しておく。)
 →地球が回っていること、どちらに回っているか、太陽は東からのぼる・・・など様々な意見が出る。

〇地球の自転は、板書にあるような長方形の画用紙の真ん中を切り抜いた「めがね」を持って、地球の自転と太陽の見かけの動きを確かめた。「めがね」を目の前にかざして、教室前方の投光機に向かって地球と同じ向きで自分がぐるっと一回りする。すると太陽が東から西へ動いているように見えるのが実感できる。

〇地球儀を出して、自転の向きを知らせる。また、日本周辺図の地図黒板を黒板に張り出して、太陽の見かけの動きを合わせて確かめ、日の出の時刻は日本では東から西へ、地球の自転は西から東へということを確かめる。沖縄 6時11分、根室4時7分だと板書する。
(板書A)
地球の自転で、昼と夜ができることがわかる


別の指導計画による授業(1時間目)(板書B)「課題①昼と夜があるのはなぜだろう?」
昼と夜がある理由を考える



〇地球が1日1回自転しているので、昼と夜が出来ることが分かる。
①自分の考えを書く
②話し合う。
③人の意見を聞いて書く。
④実験観察
・教科書の写真で地球が球であることを確かめる。
・地球儀に光源装置(太陽)で光をあて、昼と夜をつくる。東京のシールを張って確かめる。

昼⇒夕方⇒夜明け⇒夜中⇒昼

⑤分かった(確かめられた)ことを書く
地球の自転がかかわっていることを図で示した


「地球に昼と夜があるのはなぜだろう」
(理科では、「どのように」(HOW)を課題にして「なぜ」(WHY)をすることはあまりないが、ここでは
教具と話し合いを通してこれを理解させる)
「東から西か、西から東か、どちらに自転しているのか」→西から東に自転・

(2)月の形の見え方の変化①     

課題②月の形が変わって見えるのはなぜか(1)
①自分の考えを書く
②話し合う。
③人の意見を聞いて書く。
④実験観察
鏡を手に持っての観察(教室を暗くして、投光器を使い、顔に日光が当たっとき明るくなることを確かめる。 
→月は日光を反射して光る。(教科書の実験を行う)
〇月は太陽の光を反射して光っているので、太陽との位置で月の形が変わって見えることが分かる。
ワークを活用してまとめる。(ワークシート:教科書準拠)  
三球儀の活用

【地球の自転を確かめる「めがね」】
地球の自転を確かめる「めがね」を、工作用紙で作ります。

【月の見え方の実験】
月の見え方を、模型で確かめて、プリントに書き込みます。

教科書指導資料にあるプリントの活用

(3)(4)月の形の見え方の変化②

課題③月の形はどのように変化して見えるのか。そのわけも考えよう。
月の形の見え方の変化を模型で確かめて書き込みます。




〇ワークを活用して自分で月の形を時刻を書いて理解する。
月の形の見え方の変化を、模型で確かめて書き込みます。


・三日月、半月(上弦)、満月、半月(下弦)の4種類。
・ワークには、黄色と黒のシールを切り抜いて貼る。また、コンパスに形を張って自分でワークの上を動かして確かめる。
・黒板上では、教師用コンパスに模型を貼って実際に児童に動きを体験させ、ワークを活用する。
・上弦と下弦の月の形の説明をする。
・東京天文台の[Stella Theater Lite]」で、月と太陽の見かけの動きを見て、学習したことを確かめる。
【月の動き模型①】
見かけの形を模型から読み取ります。

【月の動き模型②】
見かけの形を模型から読み取ります。

【月の動き模型 ③】
見かけの形を模型から読み取ります。

【月の動き模型④】
見かけの形を模型から読み取ります。

理科室の中央の机の上にセットしました。

【月満ち欠けの 一人分のシール】
【月満ち欠けの 一人分のシール

【月の見かけの形を書き込む(シール)プリント】
月の見かけの形を書き込む(シール)プリント

(5)(6)太陽と月

〇太陽の表面の様子
・屋上から、遮光盤で太陽の観察をする。(天候の様子で3・4時間目の授業と入れ変えて行う)
課題④月と太陽の表面の様子はどう違うのだろうか。
太陽の黒点・表面の様子   月の表面(表と裏)の様子(教科書と学校図書館の本の活用→電子黒板活用)
題⑤月と太陽の大きさが同じに見えるのはなぜか。
・月と太陽の位置と大きさについて資料をもとに調べる。
太陽と月の、表面の様子・大きさ・地球からの距離


太陽と月の、表面の様子・大きさ・地球からの距離
太陽と月の、表面の様子・大きさ・地球からの距離

(7)太陽系から(または、銀河から)宇宙へ

太陽系から(または、銀河から)宇宙へ 自分たちで調べよう


太陽系から(または、銀河から)宇宙へ(7時間目)②.jpg
太陽系から(または、銀河から)宇宙へ(7時間目)③.jpg
〇わたしたちの今いるところ
・太陽系の惑星写真を活用して、太陽系の惑星について知る(知っていることも発表しあう)
・東京天文台作成ソフト「Mitaka」で、地球を飛び立ち、太陽系・銀河系・大宇宙への広がりを見る。
・学校図書館の本を活用して、子どもの疑問(知りたいこと)を出し合い、調べたり話し合ったりして興味関心を広げる。

4.教材研究

(1)授業の進め方

月や星を夜空を見上げて観察したことのある児童はほとんどいない。また、この地域では夜も明るく、マンションに住んでいる子どもが多い実態から、暗い夜空も見上げることはない。月の形が違って見えることを意識した子どもも少ないのが実態である。
3学級を理科専科として決まった時間に教えているので、3クラス全部朝の白い月を見たり、太陽を観察したりすることも時期・時間・天候のことなどもあり難しい。
月の見かけの位置と形・時間については、授業で理解しても、一定時間が過ぎると忘れて定着しにくい単元である。一方、宇宙について興味関心を持ち、学校図書館の本を借りて読んでいる子どもも一定数いる。子どもの興味関心に大きな落差がある単元である。
そこで、教科書の最後にある解説を糸口にして、宇宙に目を向けさせ、月の見かけの位置については、ワークを使ったり、NHKビデオや東京天文台の作ったソフトを見たり、球形の模型や月面図・三球儀その他様々な教具・教材を使って理解しやすいように工夫している。さらに、学校図書館と連携し関連図書の紹介、天文コーナーの設置などで天体への興味関心を持たせるようにしている。

(2)子どもの質問「月の大きさが違ってみえるのはなぜですか」「スーパームーンって:なんですか」に答えて 東京天文台HPより

国立天文台HPより  月の模様に注目しよう(略)

(3)月の観察カード  6年 組  番  名前〔               〕 (略)

9月に「月と太陽」の学習をします。そこで、夏休み中に2回、月の観察をして記録しましょう。夜でなくてもいいです。太陽が見える昼間に、太陽と月も見えたら、両方書きましょう。



1回目   月  日   時ごろ


2回目   月  日   時ごろ

  東               南                西



                        真上












  東               南                西

夏休みの課題にしました



土地のつくりと変化

【6年 土地のつくりとはたらき】

NEW 実験動画(YouTube)

「土と石のじっけん」
[実験①]土は 何で できている?
粒の大きさで3種類に分ける実験⇒礫岩・砂岩・泥岩
[実験]②川の石の変化
角張った石を、空き缶の中に入れて、600回振ってみたら・・・
川の流れで石はどう変化するか確かめました。

https://youtu.be/or-tgpqZ2tk 


地層・火山・地震を3つの柱に学習を進めます。後半は、調べ学習でミニ絵本をつくりました。学校図書館と市立図書館の多くの本を読み、楽しく絵本をつくり、互いに読みあった実践です。
まずは2人の作品をご覧ください。
Hさんは、調べたことを絵や図を工夫して丁寧に仕上げました。
Kさんは、得意の漫画で挑戦。独創的な作品です。
































ポイント

・地層・火山・地震について前半では観察と体験学習を中心に学び、後半は学区図書館を活用した調べ学習(絵本づくり)という組立で行う。
・前半は、花壇の土のでき方、校庭の地下のボーリング資料の観察、化石の掘り出し、火成岩を顕微鏡で見る、堆積
岩と火成岩の岩石標本の観察などを取り入れ楽しくわかる授業を行う。

2.単元の目標


①土地は、礫・砂・泥・火山灰岩石から出来ていて、層になって広がっていることがわかる。

②地層は、川のはたらきや火山の噴火によってつくられている。化石が含まれている層からは、当時のその地域の自然の様子がわかる。

③土地は、地震や火山の噴火によって長い時間をかけて変化していくことがわかる。

④実験や観察を通して土地のつくりや変化について関心を持ち進んで学習する態度を育て、「絵本作り」の調べ学習

 を通して、進んで学ぶ態度と学習したことを表現する力を伸ばす

3.教科書の内容分析(これは旧版です)


①大日本(教科書) 土地のつくりと変化

・土地は、礫・砂・泥・火山灰・岩石からできていて、層をつくり広がっていること。
・地層は、流れる水や火山灰・岩石からできていて、化石があるものもある。
・土地は、火山の噴火や地震によって変化する。
1(5)
土地をつくっているもの
①話し合い
②土地の観察(崖の地層・ボーリング試料・教科書写真)
③地層の模型作り
④化石標本の観察
2(3)
地層のでき方
(流れる水の働き)
①話し合い
②流水堆積実験
③礫岩・砂岩・泥岩の岩石標本の観察
④しん食・運搬・堆積の関係
3(2)
地層のでき方(火山の働き)
①話し合い
②火山灰の観察
4(3)
火山活動や地震による土地の変化
本やネットでの調べ学習 変化と防災

②啓林館(教科書) 大地のつくりと変化

化石が見つかる場所はどんな様子か
話し合い・どのように出来たか予想する。
地層のでき方
地層は、礫(小石)・砂・どろなどが層になっている。
地層はどのように出来たのか⇒流水堆積実験岩石標本・火山灰・ボーリング試料の観察
流れる水の働きと火山灰で地層はできる
大地の変化
①地層の観察
➁話し合い
③火山灰の観察
火山活動や地震による土地の変化
本やネット・地域の取材・防災センターで調べ学習
火山〈山・湖・など〉地震による災害
防災
まとめ


3.東京書籍(教科書) 大地のつくりと変化


がけの縞模様はなぜ?
話し合い・どのように出来たか予想する。課題つくり
がけの縞模様はどのようにできたのか
ボーリング試料の観察
話し合い
地層の岩石は、堆積⇒れき礫岩・砂岩・でい岩で層になっている。
岩石標本・火山灰・ボーリング試料の観察
流れる水の働きと火山灰で地層はできる
大地のでき方
地層の観察など話し合い
火山灰の観察
火山活動や地震による大地の変化
本やネット・地域の取材・防災センターで調べ学習
火山〈山・湖・など〉地震による災害
防災
まとめ

4.参考 「理科の授業 6年」(江川多喜雄)
①地形・土地には高低がある。 ➁地層 地層も礫・砂・泥で出来ている
③土地をつくるものは、大きさによって礫・砂・泥に分けられる。
③火山や地震による土地の変化



1(2)
地形
地形図から地形の読み取りをする
2(1)
土地をつくる物
花壇の土は、礫・砂・どろで出来ている(実験)
3(1)
学校の土地の地下
ボーリング試料の観察⇒礫・砂・どろ
4(2)
地層のでき方
化石
化石の観察⇒化石のある地層
5(2)
火山活動や地震で出来た土地
本やネット・地域の取材・防災センターで調べ学習
火山分布図
地震の資料
火山灰と砂場の砂を比べる
火山〈山・湖・など〉地震による災害
防災
まとめ

4.学習指導計画(学習課題)12時間
①  課題①日本列島の土地の特徴を調べよう・・・日本列島の土地の特徴
②③ 課題②校庭の花壇の土は何で出来ているのだろうか
・・土の種類
④⑤ 課題③校庭の下の土の重なりを調べよう・・・地層の広がり
⑥⑦ 課題④化石を掘り出し、土地のでき方を考えよう・・・化石から推論
⑧⑨ 課題⑤火成岩のでき方を調べよう・・・火山がつくる土地
⑩⑪⑫「地層・地震・火山」の絵本をつくろう・・・調べ学習
(⑬学期末に友達の絵本を読みあう会を行った)

5.授業の記録

5-1.課題①日本列島の土地の特徴を調べよう ①

◆日本は、「火山国」・「地震国」であることが、地図や図をもとにわかる。
・日本の地形図から白地図に山脈の連なりを記入する(板書の地図をもとに)
・地球儀・プレート図から、日本列島がプレートの境目にあることがわかる。御嶽山の噴火や東日本大震災の新聞資料も活用。
・地球内部の様子を知る。(地球内部の絵:児童書)→火山が多く、地震が多いことがわかる。


電子黒板の活用

【資料】左上:プレート図、左下:日本の火山地図、右:火山の地図
(気象庁HPより)

5-2.課題②校庭の花壇の土は何で出来ているのだろうか。②③

◆花壇の土は、礫(小石)・砂・どろで出来ていることがわかる。
実験花壇の土を三種類に分ける・・・・花壇の土を燃やしてからふるいにかける。
①土をふるいにかける→残ったものが、れき(2㎜以上の小石)
②土を茶こしにかける→残ったものが、砂(グラニュー糖程度で、16分の1ミリ以上)
③茶こしを通り抜けたものが、泥(小麦粉程度で16分の1ミリ以下)


茶こしでふるっているところ


岩石標本(礫岩・砂岩、泥岩)と見比べて観察する


5-3.課題③校庭の下の土の重なりを調べよう。④⑤

◆観察:学校校庭のボーリング試料を観察し、地層の重なりを確かめる。
ボーリング資料はどの学校にも保存されているのでそれを活用する。




・本校の場合は、約20m分のサンプルがある。細かい分類をおおまかに次の5つの層に分けた。サンプルを薬包紙にのせて配り、観察した。前時に使った岩石標本とも比べて観察した。

黒土層・・・1.5m
赤土層(関東ローム)8m
砂層0.5m
砂礫層8m
砂層4.5m

・色画用紙で実際の地層の深さ分をつくり、子どもが持って教室の中でその長さを実感させ、その後黒板に貼った。
・黒土層・・・動植物が分解されたものと火山灰(1万年前)
・赤土層・・・富士山などの火山灰が長い間かかってつもった
・今は遠く南の方にある多摩川が長い間には流れを変えていたことを説明し、小富士の噴火のNHKショートビデオも活用しました。
・氷河期→間氷河期→氷河期

◆子どもがノートに書いた考察では、

「僕は、学校の校庭は前は何もない森とかとかと思っていたけど、今日の勉強で昔は海だったりいろいろな所だったとわかりました。もっと下の地層も調べたいです。」

「長い時間をかけて地層ができたとは知っていtけど、こんなにも時間をかけていることがおどろきました。なぜこんなにくっきりと分かれるのか疑問に思いました。」

「砂礫層が8mもあるということがおどろきました。砂層と砂礫層は色がほぼ同じです。すごく深くまでいろいろな層があることがわかりました。」

5-4.課題④化石を掘り出し、土地のでき方を考えよう。⑥⑦


化石を掘り出そう・・・多摩川の河原(昭島)の泥岩をハンマーで砕いて生痕化石(ウニの巣穴)。ブラッシングし、白ボンドで固めて標本づくり。
化石採集 「地球の歴史を語る地層」 
①学校の地面の下の土≪色画用紙を黒板に掲示しておく≫
黒土=動植物が分解された土  ダンゴ虫・ミミズ・微生物など
赤土=火山の働き・富士山の噴火で積もった火山灰
火山灰
火成岩(地球内部から) 鉱物が粉になっている
砂礫、砂=流れる水の働き・・・川の流れで運ばれて積もった(海底など) 木の化石
人間の歴史・・・文字と言葉が伝える
地球の歴史・・・土・地層が伝える

②泥層から化石を取り出そう。
昭島市の多摩川の河原   
160万年前のクジラの化石発見(全長11m)  →海底だった時代    
1961年:約50年前の発見   
200万年前のメタセコイヤ(30mの巨木)の化石発見 →森林だった時代
ブンブクウニの巣穴やメタセコイアの葉の化石の取り出し
クリーニング(筆とようじ)・・白ボンドで固める(水で薄める)



昭島市のアキシマクジラ出土地で、クジラの化石が発見されました







5-5.課題⑤火成岩のでき方を調べよう⑧⑨

◆火山の働きで地層が出来ることがわかる。

観察:火山灰の観察で、火山灰と堆積岩の違いに気づく(角張っているか丸まっているか)
観察:火成岩の観察。礫岩・砂岩・でい岩を比べて観察する。(虫眼鏡・顕微鏡)

形・色・大きさに注目させる⇒関東ローム層


・教科書の写真を活用する。


6.「地層・地震・火山」の絵本をつくろう⑩⑪⑫ (⑬)


   「火山活動や地震による土地の変化」絵本作りのねらいと進め方
テーマ①地層 地層はどのように出来るのか。その種類は?
テーマ②火山①なぜ噴火する?噴火と溶岩、噴火と地層など
火山活②火山活動によって土地はどう変化するのか?
テーマ③地震①なぜ起きるのか?被害は?
    地震②地震によって土地はどう変化するのか?
調べ方:3種類のテーマはどれも取り上げるが、重点を決めてよい。
・教科書を読む→テーマをもとに構想をたてる→本や写真資料の活用
→絵本作り→友達の絵本を読み合う


①本の用意
 学校図書館の本と、図書館司書の協力を得て市立図書館から関連図書を用意する。
 この課題の本はあまり多くないので何冊かの本からコピーした資料のプリント


②絵本作りのねらいを示し、作り方を説明する。(模造紙に書いて毎時間提示)
 「小学館の図鑑NEO」など図鑑類を中心にカラーコピーしたものを用意する。
 子どもが、自宅から持ってきた本や自宅でネットから取り出した資料も使った。


③ 絵本の台紙は、厚手の画用紙を横に二つに切ったものを一人分3枚程度になる。これを真ん中で折り、ホチキスで留めると、一人8ページの絵本が出来る。表紙をつけると世界で一つの楽しい絵本になる。

調べ学習は好きな子どもが多いが、読みとる力が不十分な子どもは、書くことをめんどうだと感じる。しかし、「絵本」というネーミングが子どもには「楽しそう」と感じたようだ。どの子も夢中になって取り組む。

A君の絵本の表紙
表紙です。

Bさんの作品より
絵本の作品より(全部で7ページ)

C君の作品より
絵本の作品より

学期末に友だちの絵本を読みあう会を開いた。自分の絵本にないよいところ、新しく知ったことを書いてまとめた。

自分の読んだ本以外で友だちがつかえてくれる情報に接し、楽しく、また友だちのよさを実感できる機会になった。

A君へ「火山が噴火するときに溶岩ドームや火山だんなどができることがわかりました。また、マグマがたまってから爆発するまでの流れが分かりました。」

Bさんへ「火山灰がふりつもることにより伊豆大島に地層ができたことが分かった。断層のでき方や地震のおくり原因がとてもわかりやすく説明されていて地層のできかたもよく分かった。」

C君へ「絵で説明しながらも字でこまかく書いてあった。「風化」という新しいことばもくわしく書いてあり、風化がどういうものかが、わかった。」

Dさんへ「プレートがマントルにもぐりこむ力とマントルがおしもどす力によって地層にひびが入るということを初めて知った。」

E君へ「噴火の仕方はマグマの成分やマグマの温度、火山ガスの量や出方によって違うことがわかった。」

Fさんへ「火山がふんかしていいえいきょうがあることを知った。特に火山の地下で熱せられた水や水蒸気が地熱発電に使われるということにおどろいた。」





生物と地球環境


6年  生物と地球環境

 1.教科書のねらいと内容を見ると、

(1)ねらい

 生物と環境の関わりを追究し、生物と環境の関わりを推論する能力を育て、理解を図り,環境保全の態度を育て,生物と環境の関わりについての見方や考え方をもつ。
●生物は,水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること。
●生物の間には,食う食われるという関係があること。

(2)内容と授業の展開(8時間)

○生物と水の関わり 2時間 
 ・生物と地球環境の関わり 
 ・生物と水の関わり 
○地球上の水・空気・生物 1時間        
 ・水はどのように巡っているか,空気は生物とどう関わっているか。
○地球環境を守る          5時間    
 ・人と水・空気・生物の関わり         
 ・人と地球環境の関わり(動物や植物は,互いに関わり合って生きている             
・人が環境に影響を及ぼしている例と,環境を守る取り組み
・地球環境とどのように関わっていけばよいか。
・地球環境を守るためにできることを発表する。

2.学習のねらい

 卒業に向けて、6年生は様々な取り組みを行っている時期、1年間の理科学習をふりかえり、理科で学習したことを生かして地球環境問題について考える単元にする。内容で押さえたいことは、
1年間の理科の基礎的知識を定着させる。
○地球で生きていくために必要な条件を今までの学習を振り返り考える。
○地球環境問題に目を向け、テーマを決めてすすんで調べる。

3.学習指導計画 6時間

1年間の理科学習の基礎的知識を身に着ける(振り返りプリント)1時間
②地球環境問題について考え、調べるテーマを決める。1時間
③NHKビデオを視聴し、学習を振り返り、環境問題に興味関心をもつ。1時間
④地球環境問題について調べる(ノート2~3ページ分)3時間

4.授業の記録

6年の理科のまとめ」(自作プリント)1時間

教科書の中から大切な内容(40のキーワード)を、A3サイス両面刷りで4ページ分にまとめました。「6年の理科のまとめ」(自作プリント)としました。
はじめに、何も見ないで自分でプリントに記入します。
次に、終わった子どもから、回答の言葉が書いてあるプリントを渡して自分で確かめさせます。(何度も使う言葉と一度も使わない言葉も少し混じっています)。最後は先生と答え合わせをします.


























































②地球環境問題について考え、調べるテーマを決める。1時間


生命が存在できる条件を考え、地球環境問題の導入とする。













・1~5の星の写真A~Eの解説文を掲示し、どの星がどの解説文か、みんなで考える。画用紙の穴を開けて写真の中の星の名前と下の文章は隠しておきます)。
生命の住める地球は、青く見えること、これは水があるからだと確かめます。
・「生命が存在できる条件は?」と問いかけます(板書)。「水」「空気(酸素)」「適温」「食べ物」などが発言の中で出てきます。これらは、植物の発芽と成長で学習した「発芽条件」「成長の条件」と重なることに気付きます。
・「生物と地球環境」の地球環境問題とは、植物が発芽し成長するために必要な条件であり、これが崩れると植物も、そしてそれを食べて生きるわたしたち動物も生きていけないことに気付かせます。今まで学習したことが環境問題を考えるために大切だったことを話します。次時は、テレビを見て環境問題のイメージを広げることを話します。

③NHテレビの番組(10分×3)の視聴 1時間

NHテレビの番組(10分)を視聴し、学習を振り返り、環境問題に興味関心をもつ。
穴あきプリントを用意して、テレビを見ながら(  )中に言葉を入れる。この言葉は番組の中でナレーションとして出てきます。

A:番組「地球はひとつ」
1.地球には多くの生き物がすんでいます。人間や、ゾウ、サル、イルカ、クジラなど、母乳を飲んで育つ⑧(   )。さまざまな種類の鳥やは虫類。水辺にすむカエルなどの⑨(   )。草の中には虫。海の中には魚たちやプランクトンもいます。動物だけではありません。木や草、小さなコケなども地球上の生き物です。すべての生き物を合わせると、名前が付いているものだけで⑩(   )種類と言われています。
2.人間が食べるのは米や野菜などの植物と、魚や動物の肉などほかの生き物です。シマウマなどの⑪(   )は草を食べます。ライオンのように動物の肉を食べる⑫(   )もいます。チョウの幼虫は葉っぱを食べ、チョウは花のみつを吸います。動物の死がいは虫やび生物に食べられて分解され、やがて土を豊かにし、木や草の栄養となります。地球上の生き物は、食べたり食べられたりしながらつながっているのです。
3.植物も動物も、水がないと生きていくことができません。植物の根から吸収された水は、葉にある⑬(   )という小さな穴から水蒸気となって出ていきます。水はもっと大きく地球上をめぐっています。地球上の水の97%が、⑭(   )の水す。ここから水が蒸発し、その水蒸気が空の上で雲になります。雲となった水蒸気は雨となって降り、雨は集まって小さな流れから大きな川となり、⑭(   )に注ぎます。

B:番組「地球をめぐる空気」
1.雨が降らないため水の量が減り、多くの魚が死んでうかび上がった川。暑さのせいでとけてくずれる氷河。これらは⑮(   )によって起こる現象です。これは、大気中の⑯(   )などがふえて気候が暖かくなることです。この気体は空気よりも暖まりやすく、地球の表面から宇宙へ出ていく熱を吸収する働きがあります。それえ温室のように地球が暖められるのです。
2.35億年前の地球の大気は96%が二酸化炭素で、酸素はありませんでした。二酸化炭素が減り、酸素が増えたのは、そのころ地球に現れたシアノバクテリアという細きんのはたらきです。35億年前、シアノバクテリアは海の中にとけた二酸化炭素と⑰(   )から酸素を作り出すようになりました。その結果、酸素を吸って二酸化炭素を出す動物が生きる今の地球になったのです。
2.植物は、⑱(   )と⑲(   )を使って栄養と酸素を作り、その結果、空気中の二酸化炭素を減らす働きがあります。しかし、車や工場など人間が出す二酸化炭素の量は、全世界で一年間に70億トンをこえます。このうち半分近くが吸収しきれず、大気に残っているのです。
3.世界が今と同じ程度の経済成長を続けると、2100年には大気中の⑳(   )は今のおよそ2倍になると予測されます。そして世界の平均気温は、2100年には1890年ごろに比べておよそ4℃上がると予想されます。2100年にはアマゾンに広がる森の三分の二が消えて砂ばくになるという予測もあります。今、大気中のこの気体を減らす様々なとりくみが行われています。

C:番組「未来のエネルギー」
1.わたしたちの生活に必要なエネルギーの多くは、石油や石炭、天然ガスなどから生み出されます。これらは①(   )とよばれ、何百万年も昔の植物や動物の死がいが地層の中にうもれ、熱や圧力によって、長い時間をかけて燃料となったものです。しかし、これは限りがあり、将来なくなるのではないかといわれています。また、これを大量に燃やすことで大気中の②(   )がふえ、地球温暖化などさまざまな変化を引き起こすおそれがあります。
2.今、自然エネルギーを使って電気を作る方法が注目。その一つが、風の力を利用した③(   )です。これは、地球温暖化の原因といわれている二酸化炭素が出ません。風には限りがないので世界各地で進められています。
3.太陽の光を使って電気を作るのが④(   )です。太陽の光さえあれば電気を作ることのできるので世界各地で使われています。これは、天候に左右されるため、雲のない宇宙で作られた電気を地球に送る計画も進められています。
4.自動車や電車の新しいエネルギーとして開発が進められているのが、⑤(   )です。これで電気を作るのに必要な物は、水素と酸素です。このとき出てくるのは、水素と酸素が結び付いてできる、水だけです。そのため、クリーンエネルギーとして注目されています。
5.家庭から集められた生ゴミを細かくくだき、その生ゴミを⑥(   )が食べることで発生するメタンガスを利用する技術もあります。ガソリンのように車を走らせることができます。不要な木材から新しいエネルギーを作る試みもあります。⑦(   )としてすてていたものから新しい燃料が開発されています。

●「地球をめぐる水」については、教科書を活用して説明を加えます。

④地球環境問題について調べる(ノート2~3ページ分)3時間

(保護者と子どもの同意を得て、Hさんの次の作品を紹介します)
 地球温暖化で、何が起きているか

原因と解決への取り組み






















感想

●この写真にある地球温暖化問題を調べたHさんの感想は、
「私は、地球温暖化を少しでも和らげるために、環境のことを考えた生活をおくりたいと思いました。また、各国が二酸化炭素をへらす努力をするために、もっと有効な条約、協定が必要だと思いました。一人一人が環境のことを考えた生活を送ることが大切だと分かりました。
必要だと思う条約や協定
・先進国参加
・中国やインドなど発展途上国の中でも二酸化炭素の排出量の多い国も参加
・二酸化炭素の排出量に合わせて削減目標を決める


●同じく地球温暖化を調べたAさんの感想の一部を紹介します。
「毎年夏がだんだん暑くなっているのを感じます。テレビのニュースでも温暖化が原因になていることを見ました。世界の問題になっている中、アメリカのトランプ大統領が『温暖化はうそだ』と、言っているニュースがありました。こういう人がいるから温暖化対策は進まないのだと感じました。・・・大統領という位置にある人や世界の人に温暖化という問題を分かってもらいたいです。・・・
みんなが身近な所から始めていき、小さなことでも世界中の人と大きくしていき、わたしたちみんなの地球は、わたしたちみんなの力で守るべきだと感じました。


●「未来のエネルギー」を調べたIさんの感想の中でも、自分がどう生きていくか真剣に考えている様子がわかります。
「感想 ・・・未来まで生命を守りぬくため、身近な所から環境を考え、かぎられた資源をむだにせず、「自然と共生」して、人間も自然の一部であると自覚して生きようと思った。」


●「限りあるエネルギー資源」を調べたGさんは、
「今回エネルギーについて調べて、限りある化石燃料だけにたよらず、持続可能な社会をめざすためにも、水力・太陽光などの再生可能エネルギーを使っていくべきだというふうき思いました。」