6年 生物と地球環境
1.教科書のねらいと内容を見ると、
(1)ねらい
生物と環境の関わりを追究し、生物と環境の関わりを推論する能力を育て、理解を図り,環境保全の態度を育て,生物と環境の関わりについての見方や考え方をもつ。
●生物は,水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること。
●生物の間には,食う食われるという関係があること。
(2)内容と授業の展開(8時間)
○生物と水の関わり 2時間
・生物と地球環境の関わり
・生物と水の関わり
○地球上の水・空気・生物 1時間
・水はどのように巡っているか,空気は生物とどう関わっているか。
○地球環境を守る 5時間
・人と水・空気・生物の関わり
・人と地球環境の関わり(動物や植物は,互いに関わり合って生きている )
・人が環境に影響を及ぼしている例と,環境を守る取り組み
・地球環境とどのように関わっていけばよいか。
・地球環境を守るためにできることを発表する。
2.学習のねらい
卒業に向けて、6年生は様々な取り組みを行っている時期、1年間の理科学習をふりかえり、理科で学習したことを生かして地球環境問題について考える単元にする。内容で押さえたいことは、
○1年間の理科の基礎的知識を定着させる。
○地球で生きていくために必要な条件を今までの学習を振り返り考える。
○地球環境問題に目を向け、テーマを決めてすすんで調べる。
3.学習指導計画 6時間
①1年間の理科学習の基礎的知識を身に着ける(振り返りプリント)1時間
②地球環境問題について考え、調べるテーマを決める。1時間
③NHKビデオを視聴し、学習を振り返り、環境問題に興味関心をもつ。1時間
④地球環境問題について調べる(ノート2~3ページ分)3時間
4.授業の記録
①6年の理科のまとめ」(自作プリント)1時間
教科書の中から大切な内容(40のキーワード)を、A3サイス両面刷りで4ページ分にまとめました。「6年の理科のまとめ」(自作プリント)としました。
はじめに、何も見ないで自分でプリントに記入します。
②地球環境問題について考え、調べるテーマを決める。1時間
・1~5の星の写真A~Eの解説文を掲示し、どの星がどの解説文か、みんなで考える。画用紙の穴を開けて写真の中の星の名前と下の文章は隠しておきます)。
・1~5の星の写真A~Eの解説文を掲示し、どの星がどの解説文か、みんなで考える。画用紙の穴を開けて写真の中の星の名前と下の文章は隠しておきます)。
生命の住める地球は、青く見えること、これは水があるからだと確かめます。
・「生命が存在できる条件は?」と問いかけます(板書)。「水」「空気(酸素)」「適温」「食べ物」などが発言の中で出てきます。これらは、植物の発芽と成長で学習した「発芽条件」「成長の条件」と重なることに気付きます。
・「生物と地球環境」の地球環境問題とは、植物が発芽し成長するために必要な条件であり、これが崩れると植物も、そしてそれを食べて生きるわたしたち動物も生きていけないことに気付かせます。今まで学習したことが環境問題を考えるために大切だったことを話します。次時は、テレビを見て環境問題のイメージを広げることを話します。
③NHテレビの番組(10分×3)の視聴 1時間
NHテレビの番組(10分)を視聴し、学習を振り返り、環境問題に興味関心をもつ。
穴あきプリントを用意して、テレビを見ながら( )中に言葉を入れる。この言葉は番組の中でナレーションとして出てきます。
A:番組「地球はひとつ」
1.地球には多くの生き物がすんでいます。人間や、ゾウ、サル、イルカ、クジラなど、母乳を飲んで育つ⑧( )。さまざまな種類の鳥やは虫類。水辺にすむカエルなどの⑨( )。草の中には虫。海の中には魚たちやプランクトンもいます。動物だけではありません。木や草、小さなコケなども地球上の生き物です。すべての生き物を合わせると、名前が付いているものだけで⑩( )種類と言われています。
2.人間が食べるのは米や野菜などの植物と、魚や動物の肉などほかの生き物です。シマウマなどの⑪( )は草を食べます。ライオンのように動物の肉を食べる⑫( )もいます。チョウの幼虫は葉っぱを食べ、チョウは花のみつを吸います。動物の死がいは虫やび生物に食べられて分解され、やがて土を豊かにし、木や草の栄養となります。地球上の生き物は、食べたり食べられたりしながらつながっているのです。
3.植物も動物も、水がないと生きていくことができません。植物の根から吸収された水は、葉にある⑬( )という小さな穴から水蒸気となって出ていきます。水はもっと大きく地球上をめぐっています。地球上の水の97%が、⑭( )の水す。ここから水が蒸発し、その水蒸気が空の上で雲になります。雲となった水蒸気は雨となって降り、雨は集まって小さな流れから大きな川となり、⑭( )に注ぎます。
B:番組「地球をめぐる空気」
1.雨が降らないため水の量が減り、多くの魚が死んでうかび上がった川。暑さのせいでとけてくずれる氷河。これらは⑮( )によって起こる現象です。これは、大気中の⑯( )などがふえて気候が暖かくなることです。この気体は空気よりも暖まりやすく、地球の表面から宇宙へ出ていく熱を吸収する働きがあります。それえ温室のように地球が暖められるのです。
2.35億年前の地球の大気は96%が二酸化炭素で、酸素はありませんでした。二酸化炭素が減り、酸素が増えたのは、そのころ地球に現れたシアノバクテリアという細きんのはたらきです。35億年前、シアノバクテリアは海の中にとけた二酸化炭素と⑰( )から酸素を作り出すようになりました。その結果、酸素を吸って二酸化炭素を出す動物が生きる今の地球になったのです。
2.植物は、⑱( )と⑲( )を使って栄養と酸素を作り、その結果、空気中の二酸化炭素を減らす働きがあります。しかし、車や工場など人間が出す二酸化炭素の量は、全世界で一年間に70億トンをこえます。このうち半分近くが吸収しきれず、大気に残っているのです。
3.世界が今と同じ程度の経済成長を続けると、2100年には大気中の⑳( )は今のおよそ2倍になると予測されます。そして世界の平均気温は、2100年には1890年ごろに比べておよそ4℃上がると予想されます。2100年にはアマゾンに広がる森の三分の二が消えて砂ばくになるという予測もあります。今、大気中のこの気体を減らす様々なとりくみが行われています。
C:番組「未来のエネルギー」
1.わたしたちの生活に必要なエネルギーの多くは、石油や石炭、天然ガスなどから生み出されます。これらは①( )とよばれ、何百万年も昔の植物や動物の死がいが地層の中にうもれ、熱や圧力によって、長い時間をかけて燃料となったものです。しかし、これは限りがあり、将来なくなるのではないかといわれています。また、これを大量に燃やすことで大気中の②( )がふえ、地球温暖化などさまざまな変化を引き起こすおそれがあります。
2.今、自然エネルギーを使って電気を作る方法が注目。その一つが、風の力を利用した③( )です。これは、地球温暖化の原因といわれている二酸化炭素が出ません。風には限りがないので世界各地で進められています。
3.太陽の光を使って電気を作るのが④( )です。太陽の光さえあれば電気を作ることのできるので世界各地で使われています。これは、天候に左右されるため、雲のない宇宙で作られた電気を地球に送る計画も進められています。
4.自動車や電車の新しいエネルギーとして開発が進められているのが、⑤( )です。これで電気を作るのに必要な物は、水素と酸素です。このとき出てくるのは、水素と酸素が結び付いてできる、水だけです。そのため、クリーンエネルギーとして注目されています。
5.家庭から集められた生ゴミを細かくくだき、その生ゴミを⑥( )が食べることで発生するメタンガスを利用する技術もあります。ガソリンのように車を走らせることができます。不要な木材から新しいエネルギーを作る試みもあります。⑦( )としてすてていたものから新しい燃料が開発されています。
●「地球をめぐる水」については、教科書を活用して説明を加えます。
④地球環境問題について調べる(ノート2~3ページ分)3時間
(保護者と子どもの同意を得て、Hさんの次の作品を紹介します)
●この写真にある地球温暖化問題を調べたHさんの感想は、
「私は、地球温暖化を少しでも和らげるために、環境のことを考えた生活をおくりたいと思いました。また、各国が二酸化炭素をへらす努力をするために、もっと有効な条約、協定が必要だと思いました。一人一人が環境のことを考えた生活を送ることが大切だと分かりました。
必要だと思う条約や協定
・先進国参加
・中国やインドなど発展途上国の中でも二酸化炭素の排出量の多い国も参加
・二酸化炭素の排出量に合わせて削減目標を決める
●同じく地球温暖化を調べたAさんの感想の一部を紹介します。
「毎年夏がだんだん暑くなっているのを感じます。テレビのニュースでも温暖化が原因になていることを見ました。世界の問題になっている中、アメリカのトランプ大統領が『温暖化はうそだ』と、言っているニュースがありました。こういう人がいるから温暖化対策は進まないのだと感じました。・・・大統領という位置にある人や世界の人に温暖化という問題を分かってもらいたいです。・・・
みんなが身近な所から始めていき、小さなことでも世界中の人と大きくしていき、わたしたちみんなの地球は、わたしたちみんなの力で守るべきだと感じました。
●「未来のエネルギー」を調べたIさんの感想の中でも、自分がどう生きていくか真剣に考えている様子がわかります。
「感想 ・・・未来まで生命を守りぬくため、身近な所から環境を考え、かぎられた資源をむだにせず、「自然と共生」して、人間も自然の一部であると自覚して生きようと思った。」
●「限りあるエネルギー資源」を調べたGさんは、
「今回エネルギーについて調べて、限りある化石燃料だけにたよらず、持続可能な社会をめざすためにも、水力・太陽光などの再生可能エネルギーを使っていくべきだというふうき思いました。」
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