【6年 電気の性質とはたらき】
ポイント
手回し発電機を二つつなげて一方を回すと、となりのモーーターが回りだします。モーターは電気の「生産者」にもなり「消費者」にもなることを目にする瞬間です。電気エネルギーを様々なエネルギーに変える実験の後、地球環境問題と関連させて話したり学校図書館の本の紹介したりすると、進んでエネルギー問題の本を手に取る子どもがふえます。
1.ねらい(知識・理解を中心に)
①電気は、つくりだしたりためたりできることがわかる。②電気エネルギーを、動力・光・音・熱に変えることができることがわかる。
③流れる電流が多いほど、モーターが早く回ったり、明るく光ったり、強く発熱したりすることから、それらは電流の流れる量に関係していることがわかる。
2.学習指導計画
(1)教科書(10時間)を見ると
【単元の内容】・電気は、作り出したり蓄えたりすることができる。
・電気は、光・音・熱などに変えることができる。
・電熱線の発熱は、その太さによって変わる。→次期指導要領改訂で中学校に移行
・身の回りには、電気の性質や働きを利用したものがあること。
(1)つくる電気・ためる電気
①生活の中で電気をどのように使っているか話し合う。
②電気と光や熱
③手回し発電機を豆電球・発光ダイオード・電子オルゴールにつなぎ、光や音を出す。
④コンデンサーの使い方を知る
⑤電気をためたコンデンサーで、豆電球がつくか調べる。
⑥電気をためたコンデンサーで、豆電球と発光ダイオードのあかりのついている時間を比べる
→点灯時間 発光ダイオード>豆電球
(2)身の回りの電気の利用
⑦電気はどのようなものに変わるか調べる。
(3)電気と熱
⑧電熱線の太さによる発熱の変わり方を予想し、調べ方を考える。
⑨太い電熱線と細い電熱線の発熱の違いを調べる。
太い電熱線と細い電熱線→ 太い>細い
⑩つくってみよう 電気を利用したおもちゃ
⑪「たしかめよう」「学んだことを生かそう」
(2)学習指導計画
(1)課題①電気エネルギーは、どんなエネルギーに使われているか調べよう。(2)課題➁発電のしくみを知り、電気エネルギーを音や光に変えよう。
(3)(4)課題③電気をコンデンサーにためて、音(電子メロディー)・光(豆電球・発光ダイオード)・
動力(モーター)で時間を比べよう(電気の使われる効率の比較)
(5)(6)課題④電気エネルギーを、熱に変えよう。
(7)まとめ
・NHKビデオの活用
・電気とエネルギーの関連図書のブックトーク
・振り返り
3.授業の流れ
(1)課題①電気エネルギーは、どんなエネルギーに使われているか調べよう。
家や街にある電気製品を出し合い、それを仲間わけする。・動力 ・熱 ・光 ・音 ・その他
(2):課題➁発電のしくみを知り、電気エネルギーを音や光に変えよう。
(3)(4):課題③電気をコンデンサーにためて、音(電子メロディー)・光(豆電球・発光ダイオード)・動力(モーター)で時間を比べよう
(電気の使われる効率の比較)・①動力(モーター)・➁光(豆電球)・③光(発光ダイオード)・④音(電子メロディー)
・発光ダイオードと豆電球の違いを知ろう(ノーベル賞受賞に関わって)
次のような表をつくる
動力 モーター 1班 2班 3班 4班 5班 6班
光 豆電球
光 発光ダイオード
音 電子ブザー
(5)(6):課題④電気エネルギーを、熱に変えよう。
・太さの違うニクロム線で比べる。・ニクロム線と電池を使って発砲スチールを切って作品を作ろう(スチロールカッター)
(7)まとめ
・NHKビデオの活用・電気とエネルギーの関連図書のブックトーク
・振り返り
4.教材研究
(1)授業の進め方
日本人が青色発光ダイオードの作成でノーベル賞を受ける中で、この単元への興味関心は高い。発光ダイオードは、子どもの身近な生活にも様々な影響を与えている。また、3.11以後、原発・再生エネルギーなど発電への関心が国民的関心となり子どもの家庭でも話題になってきている。そして、児童図書の分野でもエネルギー関連の新刊書が次々に発刊されている。子どもの関心に応え、導入・展開、そして発展的な読書活動も見通して単元指導計画に反映させる。
児童に購入させる教材の「エコライト」を使って授業を行う。その内容は、次の通り。
制作1実験台の組み立て
制作2発電機の組み立て
実験1.発電機で電気をつくる(実験台)豆電球と発光ダイオードで手ごたえの違いを実感
実験2.コンデンサーに電気をためて、電気を光や音にかえる。
実験3・豆電球と発光ダイオードの点灯時間の比較
追加 ・ハンディエコライトをつくろう・コンデンサモーターカー
◆教材研究や教材作りに使った参考資料(関連図書以外)
・大学共同利用法人 高エネルギー加速器研究機構HP
(素粒子、電磁気力、クォーク、その他)
・富士通研究所HP
(半導体、光が出る仕組み、発光ダイオード、
・IT用語辞典 LED、発光ダイオード、光の3原色)
(2)電気の話(児童に配布したもの)
電気の話① 【6年理科・発展資料】
1.世界中の物は、原子という小さな粒で出来ている
物体は、原子や分子と言われる小さな粒(つぶ)が組み合わさってできています。原子と原子を結びつけているのが、電子というもっと小さな部品です。絵のように、原子の周りでは、いくつかの電子がぐるぐる回っています。
原子は、原子核(げんしかく)と電子でできています。中心にプラスの電気を持った原子核があり、そのまわりをマイナスの電気を持った電子が、原子核のプラスの電気に引っ張られながら回っています。地球のまわりを回る月みたいですね。
ところが、一番外側を回っている電子は外に飛び出しやすい性質を持っていて、自由電子といいます。
この自由電子が移動することで電気が流れます。つまり電気の正体は、この自由電子というわけです。電気をよく通す、電気を通さないというのは、この自由電子があるかないかで決まります。 自由電子があるのが導体、ないのが絶縁体(ぜつえんたい)です。 その中間のものを半導体といいます。
(金属は導体、木は絶縁体。)
2.電気を作り出す、つまり発電の話
電気が起きる仕組みは、1831年に、ファラデーが発見しました。図のように、金属の線をぐるぐる巻いたものを「コイル」といます(5年で学習しました)。この中に磁石を通してやると、その磁力で、金属の線の中で自由電子が決まった向きに流れ始めることが分かたのです。
磁石の動きを速くすると、それだけ強い流れができて、電気が強くなります。コイルを回転させる力があれば、どんなやり方でも発電できます。図のような形。磁石をコイルにかぶせて、これをぐるぐる回すと発電できます。自転車のライトはこれを使っています(タイヤが回る力で発電)
みなさんの「エコライト」は手動式発電です。
しかし、磁石をすごい速さで動かし続けるのは大変です。そこで、磁石を動かすのではなく、コイルの方を回したらどうだろう?同じように電気が生まれました! 今、大きな発電機はほとんど、磁石の中でコイルを回して電気を取り出すやり方です山にあるダムの水力発電所。これは川をダムで一度せき止めて、高いところから下に落とし、その勢いでタービンという水車を回して、それでコイルを回しています。火力発電所では、石炭や石油をもやしてお湯をわかし、ふき出す蒸気の力でタービンを回しています。
(この文章は、パナソニックキッズスクール、四国電力,九州電気保安協会、学研キッズネット、富士通研究所、高エネルギー加速器研究機構の資料をもとにつくりました。)
色々なことがわかった
返信削除子どもたちは、発展資料の「電気の話」にとても興味を持ち、関連図書を紹介したら学校図書館で借りて読んでいました。
削除すごいですね
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