2022-08-04

学校現場からの報告:「デジタル教科書・タブレット1人1台」の現状と課題

タブレットが導入され、使用が始まった学校現場の実態①(2021年9月時点)

目次

◆はじめに
1.まず、授業外でタブレットを使い始めた
2.授業での使用が始まる
〔小学校の活用事例〕
〔中学校の活用事例〕
〔支援学級の活用事例〕
3.自主的な工夫での利点
4.数多くの問題点・課題
・Wi-Fi環境等が整っていない・研修が不十分な中でスタートしたための問題
・「タブレットありき」の押し付けに困惑
・生徒指導や健康上の問題
・新たな保護者の負担増
・自治体にとっての財政負担
5.大切ことは、「教員の専門性と自主性が尊重される環境で、ツールとして創意工夫で使う」「よくわかる授業のためのツールとして」
6.寄せられたご意見など(学校・地域の声)

◆はじめに

東京郊外のA小学校(児童数500人)の2021年度の教科備品の予算は30万円でした。授業で使う楽器や顕微鏡など2万円以上の教科備品費の総額です。
一方、この学校にはタブレットに2250万円の税金が投入されました。このほか校内Wi-Fi環境の整備やソフトの使用料、週3回1回3時間のICT支援員配置費などを合わせると2500万円以上。なんと学校の教科備品費の80年分以上にもなります。
「Society5.0時代」「予測困難な時代」の掛け声の中で、「新学習指導要領の着実な実施」と「ICTの活用」で「個別最適な学び・協働的な学び」をすすめるという中教審答申の具体化が、急速に始まっている学校の実態を報告します。

1.まず、授業外でタブレットを使い始めた

【学校・家庭・市教育委員会をつなぐ手段】

コロナ禍、様々な活用が始まっている。タブレットを文房具のように毎日持ち帰っている市もあり、次のような事例が報告されている。
〇生徒の健康の記録を各家庭で検温して打ち込み、学校では担任がタブレットで確認(毎日対応)。
〇家庭への・家庭からのさまざまな連絡。アプリを用いて、家庭からの欠席の連絡。(中学校では生徒による保護者「なりすまし」連絡が問題になり、折り返し電話で確認している例も)。 
〇「クラスルーム」で保護者会の出席確認、Zoomで保護者会、移動教室の説明会、個人面談を実施。PTAの会議をZoomで開いているところも出始めた。
〇土曜授業をオンライン授業(生徒は家庭で参加)
管理職から「オンラインでやるように」との指示で行われ、道徳授業を実施した事例もある。担任からは、意味がないとの声が寄せられている。
〇市教委主催の各種主任会や初任者研修をZoom。往復の移動時間がなくなり、これは「働き方改革」になると先生方に好評。初任者研修では、浮いた移動時間を使って研修終了後のレポート作成の時間をこの中に組み込んでほしいとの要望もある。

【学校での教科外の活用】

〇アンケート機能を使って、学級での様々な調査・アンケートに活用する。
〇全校・学年単位の朝会やさまざまな集会、生徒会や委員会・部活紹介などをZoomで実施。離任式をZoomでやった学校では、式の終了後に来校した離任された先生方が廊下を通って全校児童に顔を見せる工夫をしたとの報告もある。
〇学校行事を、個人情報に配慮して遠方から撮影して動画で配信。
〇教科書を忘れたときに撮影して使用。
〇学活の時間に、生徒が投票機能を使う。
〇参観できない行事を写真機能で児童が家庭で保護者に見せる(展覧会の参観ができないので、児童が自分の作品を写真に撮りながら解説。会場風景は教員が遠方から撮影。それを合わせてタブレットを自宅に持ち帰り保護者に見せた事例)

2.授業での使用が始まる

〇タブレットの使用は、市・学校・先生間で使用頻度が異なる。研修がほとんどされずに始まったことで多くの問題が起きている。ICT担当者の研修会を市教育委員会が実施して、その報告を各校で行ったり、校内で集中的に研修機会を設けたりしている。
〇教科学習では、調べ学習の時に課題を検索してまとめるためにタブレットを使うことが多い。
〇音楽では、楽器として演奏に活用。
〇数学では、「クラスルーム」を使って、問題プリントを配り個別学習。最後に回答を配って自己採点をする。

〔小学校の活用事例〕

〇体育で、2人1組になり障害走の走りの様子を互いに撮影して、フォームの改善などの話し合いに生かす。
〇カメラ機能も多く使われ始めた。小学校低学年で、本の紹介をこの機能を活用して行い、互いに見せ合い、「だれが紹介してくれた本を読みたくなりましたか」と担任が発問。友だちの紹介文のどこがよかったかを話し合う。
〇(学活)給食の片づけ方 子どもが動画で撮って発表。「なるほど」とみんなが納得した出来栄え。
学活「給食の片づけ方」
〇国語「〇〇さんへのお礼の言葉」。
話し言葉(表現)を書き言葉に変えて残すことが出来る。文字がまだ書けない1年生やLDで文字の苦手な子どももiPadのソフトを使ってマイクボタンを押すと、子どもがしゃべった言葉が文字になる。それをGoogleクラスルームの共有掲示板に保存する。
〇(理科)4年:カブト虫の幼虫・蛹の観察
幼虫やさなぎは、飼育中は暗くしておく必要があるので観察が難しい。学級の生き物を世話する子どもたちがこのようにして飼育して、その動画を撮って、みんなに見せた。
理科4年「季節と生き物 夏」
〇算数eライブラリで課題別問題を解く。一斉休校中には、家庭学習の課題として使った。
〇小学校英語教科書のQRコードでサイトにつながる。まだデジタル教科書ではないが、正しい発音を(VTRの音声で)視聴する。
〇(調べ学習)「まるうつしはダメ」の指導
「富士山について調べよう」の課題で、サイトを紹介して調べさせた。サイトの一部を丸写しをした例が多くあり、それらを電子黒板の大きな画面で見せて、書いた内容を質問したが、まる写しなのできちんと答えられなかった。このことから「まる写しはダメ。自分のことばで・・」と指導した。それ以降、まるうつしではなく工夫するようになってきた。
〇運動会の民舞を先生が見本で踊る動画
家庭で練習するときにお手本として使わせた。
〇(理科)電気の学習でスプレットシートを活用。
各自が書く⇒それを一覧にして電子黒板の大画面で見る⇒個人の小さい画面と電気黒板などの大きな画面の両方を使うと効果的。

〔中学校の活用事例〕

〇(国語)調べ学習
調べる課題を出して、生徒が検索して調べて、コピーして、それに対す自分のコメントを書く。1時間に調べ学習20分、それを3回やり、書いたものをグループ内で共有する。順番に発表して、質問に答える。しかし、学級全体での意見共有が難しい。(電子黒板が学年共有なので使いにくい)
〇(社会)QRコーでNHKforSchoolにリンクできて便利だが、課題がある。例えば「アメリカの農業」では、リンクするNHKforSchoolで見ると「大規模・・」だけが出てくる。しかし、今のアメリカの農業は様々な課題がある。そうした資料は見ることが出来ない。タブレットで調べてみることの範囲が限られて学ぶことの制約がある。教師が適切な教材を用意して、豊かに学べるような工夫が必要。

〔支援学級の活用事例〕

〇自分で発言して表現することが苦手な子どもが、タブレットを使って書くと自己表現ができる。
〇子どもが話す様子を動画に撮って一緒に見る。舌の動かし方の指導など個別指導に生かせる場面がいろいろある。
〇NHKforSchoolなどの動画を見る,総合的な学習の時間に日記を書くなど実態に応じて工夫。

3.自主的な工夫での利点

〇授業中、わからないことを調べることができる。
〇情報・意見を共有しやすい。
〇みんなの前で意見を言うことや作文が苦手な生徒が、タブレットは普段の生活で使っているツールなので、書いたり意見発表したりすることがスムースになる。
〇特別支援級では、「自分で発言して表現することが苦手な子どもが、タブレットを使って書くことで自己表現ができるのでよい」「子どものやりとりにも使える」などの報告もある。
〇コロナが心配で保護者が子どもを学校に行かせていない家庭向けに学校の様子を見せる。

4.数多くの問題点・課題

① Wi-Fi環境等が整っていない・研修が不十分な中でスタートしたための問題

〇日によっても、時間帯によっても、授業中ネット検索するとつながりにくいことがある。1時間目はつながりやすいが5時間目はつながりにくいなどの報告もある。
〇多数で使用するとフリーズしてしまい、時間の浪費になっている。授業と校務に支障が出る。
〇市によっては、校内Wi-Fi環境の整備に全市的に追加工事を行ったところもある。当初請け負った業者が「全校で何人ぐらいが一斉に使うとの話を聞かされずに工事をした」と話している事例もある。
〇政府の政策で、短期間で一斉に配布されたので教員への研修がほとんどなく、現場へ丸投げされた。そのため、感染対策に加えてタブレット対応を急がされ、勤務時間が更に大幅に超えてしまっている。初期設定などでは混乱した学校も多くある。
〇ICT支援員は週に3日程度の数時間で、質問に答えてもらえない例も報告されている。専門力量のあるICT支援員の配置を求める声がある。市によっては、まだ支援員が配置されていないところがある。

② 「タブレットありき」の押し付けに困惑

〇校長や市教育委員会からの一方的な指示で、タブレットありきの次のような指示が各地から報告されている。
「毎学期の校長による授業観察の時(ママ)は、タブレットを使うこと」(人事考課の資料)
「学校公開でタブレット使用の授業をすること」
「夏休み中に市教研部会で●本の動画をつくること」
「校内研究授業はタブレットを活用すること」等。

③ 生徒指導や健康上の問題

〇子どもも先生も目の疲れがたまる。
〇ルールやマナーについての課題が多い。「クラスルーム」のソフトでは、「裏クラスルーム」をつくり、特定の仲間で、先生に分からないように、友だちをいじるなどの事例もある。こうした事件やルール違反が見つけにくいこと、コロナ禍で保護者への説明・啓発の時間がとれないとの声が各地から報告されている。
〇「タブレットの扱いに詳しい生徒が、制限をくぐりぬけて、よくないビデオなどを見ている」「ゲーム等をダウンロードして、休み時間等にやっている」など、配布して日が経っていない中でも、生活指導面で新たな問題が出ている。
〇研修やルール作りもままならないうちに、急いで配布して使用開始するようにとの指示があったために、多くの問題が噴出している。

④ 新たな保護者の負担増

〇子どもがタブレットを壊した時の修理費用については自治体によって対応は異なっている。共通しているのは、「学用品の貸与」のため、保護者は、「破損した場合は弁償する」との誓約書の提出を求められていることである。タブレットは子どもたちに「貸与された」今まで経験したことのない高額な学用品である。
〇自治体によっては、破損した場合の保険に入り、その保険料が新たな保護者負担になっている(年間で約4,000円)。小中学生が3人いる家庭では毎年12,000円もの負担増になる。そのため、学校によっては校長から先生たちに「今までの私費負担の部分を減らすように」と教科ごとに画一的な削減の指示が出て混乱したところもある(組合の交渉でその後画一的な削減の指示は是正されたが)今までにない保護者負担増。
〇Wi-Fi環境等が整っていない家庭がある実態から、自宅学習に使う場合の対応は、自治体によって異なる。
〇ある市では、全員のタブレットに公費(市財政)で2ギガ入れて、Wi-Fi環境等が整っていない家庭学習で使うようにしている。2ギガ使い切った場合は学校全体でプールしているので、それで対応するという。
〇ある市の教育委員会からの保護者へのお知らせに次の様なことが書かれていた。
「持ち帰りに当たっての事前準備(Wi-Fi環境整備)のお願い
回線・通信費用は保護者負担となりますが、御家庭にWi-Fi環境があれば、タブレット端末を学校で使用するときと同様にお使いいただけます。Wi-Fi環境がない御家庭におかれましては、この機会に導入の検討をお願いいたします。なお、就学援助費等受給世帯のうち、Wi-Fi環境がない御家庭には、市への申し込みにより、市が調達したモバイルルーターの貸し出しを行う予定です。今後、就学援助費等受給世帯に対して、ご案内をいたします。」(下線は筆者)
就学援助を様々な理由で申請していない家庭・コロナ禍で収入が激減して家計のやりくりが大変な家庭・・・。これはその真っただ中の2021年6月に市教育委員会から出された「ご案内」文書である。

➄自治体にとっての財政負担

〇タブレットを5年間のリース契約になっている自治体も多い。5年後に国が今回と同様な財政措置をするのか教育委員会も注視しているが、先行きは不透明である。
〇タブレット導入による様々な財政負担が自治体に生まれているが、学校教育全体の予算措置をどう確保するかが大きな課題になっている。ある市では、当初の工事では校内Wi-Fi環境があまりにも悪く学校から苦情が市教育委員会に届いた。そこで、で追加工事をしたところもある。
〇支援員配置費用も多くの費用がかかり、市議会では、議員から、「これだけの出費をするのだからそれに見合った成果を」と求める意見が出され、市教育委員会は、目に見える「成果」を示そうと学校現場に様々な指示が出されている実態も報告されている。

5.大切ことは、
「教員の専門性と自主性が尊重される環境で、ツールとして創意工夫で使う」
「よくわかる授業のためのツールとして」

学習会で、ある先生が次の様に発言した。
「便利だからすぐやるのではなく、生徒が書くことのその意義を考えたい。明日の持ち物の連絡や板書を撮ったりすることはどうなのか。書くことで身につけることをもう一度考えたい」
また、こんな発言もあった。
「学校に配置されている支援員のやることと教員のやることの仕分けがはっきりしない。情報担当(複数)がいるが、様々な作業が大変。教員は指導に徹してサポートしてもらうことを明確化することが大切。」

行政の一方的な「タブレットありき」の押つけが強まる中で、こんな発言もある。
「市教育委員会から市教研の部会で数分程度の動画作成をするようにとの指示で、各部会で10本夏休み中につくることになった。対応は部会によって少しは違うが、これが本当に活用できるのかと職員室では話している。一方的な指示ではなく子どもの実態をふまえて各学校で相談してやることが大切なのに・・」

一方、こんな自治体もある。
「わたしの勤める市では、ICT活用は3年間かけて試行・検討することでスタートしている。市教研の部会でクラスルームを作り、自由な情報交換をはじめ、各学校でそれぞれ工夫している」

【よくわかる授業のためのツールとして】
〇学び合う授業をつくるための課題
タブレットを活用したある授業の流れを紹介する。
① 教師が学習課題を出す。
② タブレットを使って各自で検索して調べ、自分のコメントを書く。
③ タブレットを使って書いたものをグループ内で共有し、順番に発表して、質問に答える。
④ 学級全体での情報と意見の共有
この流れで授業をしている先生からの報告では次のような感想が寄せられている。
「タブレットでは画面が小さいので、学級全体で情報や意見を共有することが難しい。電子黒板と合わせて使うと効果的だが、電子黒板は学年共有なので活用しにくい」
私も理科の授業では、電子黒板を多様な使い方をしてきて、その効果を実感している。個人で使うタブレットと、全員で共有する大きな画面の電子黒板やプロジェクターと併用できれば多様な学習形態が工夫できるという意見が寄せられている。
しかし、多くの地域でその環境がないのが実情である。全国各地で「先進例」として紹介されている実践は、タブレットと電子黒板やプロジェクターの併用が多い。
調べ学習での活用やグループ内での意見や情報の共有という面では多くの報告があるが、学級全体での学び合うという面では多くの課題があるとの声が寄せられている。
〇先進例として文科省や企業が推奨している実践例を教科の本質から見ることが大切である。
理科の場合を例にすると、基礎的な自然認識をその単元・授業でどのように育てるかが大切。しかし、実際にはタブレットをどう効果的に使うかに光が当てられている例が多い。タブレットを活用して学習指導要領の内容の徹底の手段として使われている実践が多くみられる(今後の配信で具体事例の資料提供を予定)
〇「個別最適化」学習の名で、学び合う授業より「同じ時間に子どもの『能力』によって違う学習に取り組む」授業の流れも出ている。算数・数学のQubena(キュビナ)(注)のようにAI(人工知能)が、子どものつまずきの原因を分析して、個に応じた問題を個別に次々に提示するスタイルの授業も出てきている。

(注)Qubena
①AI(人工知能)を搭載した算数・数学の教材
②AI(人工知能)が、つまずく原因となっているポイントを特定し、それに合わせて問題を次々に出していく「個別最適化」のねらいに沿った教材(子どもは、ノートのように手書き入力する)
③全国100以上の自治体、750以上の公立・私立の小中高等学校で合計20万以上のユーザーがあると宣伝されている。

〇「『デジタル教科書』推進に際してのチェックリストの提案と要望」が8つの学会から文科省に出されている。タブレットの一人1台導入の今こそ、この内容は、深く受け止める必要がある。(一般社団法人情報処理学会・社団法人日本化学会・日本化学会化学教育協議会・社団法人日本数学会・一般社団法人日本地球惑星科学連合・日本統計学会・社団法人日本動物学会・日本物理教育学会)
 
〔参考〕チェックリストの10項目(詳細は今後、情報提供の予定)
事項1: 「デジタル教科書」の導入が、手を動かして実験や観察を行う時間の縮減につながらないこと。
事項2: 「デジタル教科書」において、虚構の映像を視聴させることのみで科学的事項の学習とすることが無いこと。
事項3: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動の縮減につながらないこと。
事項4: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらないこと。
事項5: 「デジタル教科書」の使用が、穴埋め形式や選択肢形式の問題による演習の比率増大につながらないこと。
事項6: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動の縮減につながらないこと。
事項7: 「デジタル教科書」の使用により、授業の「プレゼンテーション化」や、児童・生徒に対するプレゼンテーション偏重・文章力軽視意識の植え付けが起きないようにすること。
事項8: 「デジタル教科書」の導入に際して、教員の教科指導能力が軽視されることがないように、また教員の教材研究がより充実するように配 慮すること。
事項9: 「デジタル教科書」の導入に際しては、少なくとも当面の間は、現行の紙の教科書を併用し、評価や採択においては紙の教科書を基準とすること。

6.各地の学習会などで寄せられたご意見など(学校現場・地域の声)

私が講師をつとめた多くの研究会・学習会・教育カフェなどで寄せられた保護者・市民・先生方のアンケート等から、その一部を紹介する。

◇個別も大切だと思いますが、集団で得られることも多いです。個別と集団の両輪で人格形成ができると思いました。ベテランの先生のノウハウをデジタル教材に盛り込むシステムを作った方がいいかもしれないなぁ…、と思いました。
◇自分自身はアナログ人間で、パソコンもタブレットもスマホも持たずに生活しているので、GIGAスクールと言われただけで恐怖を感じてしまうのですが、でも実際の世の中の実体に照らせば、全然使わないというのも無理だろうし、タブレットを使うメリットについても学習しながら、ツールとして使い方を考えていくことが大切なんだな、と思いました。
◇よく分かるツールとして教員が主体となって使い分けることが大切と分かった。そのためにどんな研修が教員として必要か。
◇少人数学級でないとデジタル教科書もタブレット使いこなせない。
◇タブレットを使おうとも使わなくとも「何をねらうのか」が明確な授業が大切だと改めて感じた。
◇タブレットを本当に子どもたちと教職員のために有効に活用するためには、私たちがそれに対する理解と知識をしっかり持っていくことが大切だということあはよく分かりました。また「教科書は自由発行、採択は学校や教員」というのが世界の趨勢で、その流れの中でこそタブレットも効果を発揮するという話に「なるほど」と思いました。
◇「個別最適化」というのは問題だと思います。能力の固定化につながる問題だと思いますが!! また、子どもたちの中にも全く知らない子と、とてもよく知っている子の二極化が見られると思いますが。
◇ICT活用の光と影が理解でき、これからの時代に生きる子どもたちにとって最適な学びを模索し、活用情報をこれからも共有していくことが大切だと思いました。
◇タブレットを活用する場面としない場面を教員が判断していくことが大切だと感じました。
◇タブレットやデジタル教科書、GIGAスクール、心配です。繰り返し書いたりまとめたりしながら脳の発達をする成長期の子どもたちの健康被害は大丈夫かと!話し合い活動も大切です。これからどう付き合っていくか研修していきたいです。
◇ICTを進めるのにずっと教育界が二の足を踏んでいたのに一気に変化して、混乱は隠せません。あわてずに楽しみながら子どもたちと前へ進んでいきたいです。
◇教育で大切なのは「人材育成じゃない!!人格形成だ」という言葉、ずっしりひびきました。教育が集団での交流ができるからこそ民主主義が実体験できるんじゃないかと思う。
◇日本より進んでいる世界のデジタル教科書への取り組みの+-面を知りたいです。子どもの人格の完成をめざすのが大切だと思いました。
◇児童はタブレットが日常の道具となり上手に使っています。ただ、気になるのは視力の低下、対話によるコミュニティがうまくいかない児童は増えるのではないかと今まで大事にしてきたものを同時に行なっています。教師の仕事が簡易になったとはなかなか難しい現状です。経済のための教育に巻き込まれないよう児童の未来にアップデートし続けたいと思っています。
◇GIGAスクール構想や新学習指導要領の改訂等に含まれている、これから先の時代はICTを駆使して使いこなし情報を効果的に表現していく、といった方向性に突き進んでいるのでしょうね。そこには、子どもの発達とか認識を深めていく・広げていくという視点がすっぽりと抜け落ちているように思います。そして、それが、現在の教育方法や子どもとの関わり方に教育委員会や管理職が手も口も上から一方的に口を出し統制してくる(そして、それに対して抵抗できない現場)ことが常態化している中で進められているということが大問題なのでしょう。
◇GIGAスクール構想を批判的に分析していくことと、現在の管理的な学校状況・教育状況(教員の自治が無い状況)を批判していくこと、そしてそれに対するオルタナティブ(対抗軸)をしっかりと繰り返し立ち上げていくことが必要だと考えています。
◇「ロイロノート」?という用語も初めて知りました。とにかくタブレットは渡ってしまったのですから、子どもたちが考えを深めるためのツールにしていけることが大事だと思います。
◇子どもたち個々の人間としての成長のためではなく、戦前は国家のため、今は経済界のための公教育というのは悲しいです。タブレットによる国語でも、子どもたちは、どんなふうに書き方を学んだのかなと思います。学校司書の先生が、タブレット導入後(毎日使っている)、子どもたちはそちらを好み、本を読むということがよりできなくなっていると言っていました。
◇(タブレット活用に学習で)真の学力がつくのか?調べた時にはわかった気になるが、そのままにしておくと忘れてしまうのではないか。正しい言語を身につける、難しいことを簡単に分かりやすく表現できる、手間ひまかけて書くことが大切。
◇「個別最適な学び」の名のもとに能力主義・学力格差が拡大しないようにしなければならないと思う。
◇財政的な負担は?「GIGAスクール」支援員の数も能力も自治体によって大きな差がある。保護者に新たな負担を強いることもある。(家庭でのWIFI環境整備、タブレット破損時の対応等) 
◇視力等の健康的な問題は?
学校でのタブレット使用によるきちんとしたデータがないので、結論は出せない。これから医学的な検証が必要。学校以外の場でのゲームやYouTube等の利用で問題が起きる可能性の方が高いのではないか。
◇子どもたちにどんな力を身につけさせるのかを明確にして、そのためのツール(道具)として活用していくことが必要だろう。そのために新たな学習方法の研究も必要になってくる。
◇職員室で話していたら、ベテランの同僚が、
「理科の実験で何本もの試験管の中の化学変化の様子を観察させ色鉛筆で書かせてきた。タブレットで写真を撮るよりも、その後の考察の書き方が違う。自分で見て書いて実感して考えるためには、タブレットをどこで使うかよく考えなくちゃね」と話していたので納得した。
◇緊急事態宣言の地域が広がり、文科省から通知が出ています。各地の教育委員会からは、これに関わり、「オンライン授業」の指示なども出ています。学校現場に知らせる前に保護者宛てのお知らせなどが教育委員会から発信されています。条件整備がない中で、また学校内での話し合いのない中で、保護者から学校に問い合わせや苦情も寄せられ、学校現場で「保護者に説明できない」と困惑している報告が各地から寄せられています。これらについては、後日、報告の機会を持つ予定です。

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