2020-08-08

生き物のひみつ

今回は、9月に実施した、「第4回 秋の虫」について説明します。

1.サイエンス教室風景

①秋の虫を知る(飼育ケースの中を見ながら)

◆先生の話を聞く
・バッタのいろいろな仲間
 おんぶバッタ、とのさまバッタ、ショウリョウバッタ…
・足のしくみ
 敵から逃げる・餌をとるために、ジャンプして飛びやすい
・体の色を周りと同じにする
 カマキリや鳥に見つからないように

◆絵本の読み聞かせ
・鳴く虫(こおろぎ、スズムシ)
科学のアルバムシリーズから、「鳴く虫の世界」「トノサマバッタ」を取り上げました。

※このブログの後半で本の紹介をしています

②バッタをつかまえて見てみよう

◆バッタを捕まえてみよう
ビニールプールの中に数十匹のバッタを入れて、バッタとり。
多摩川の河原でつかまえてきたバッタです。初めてつかまえた子どももいて大騒ぎ。

バッタをつかまえる
◆バッタをみてみよう(飼育容器の中)
・ショウリョウバッタ、オンブバッタ、トノサマバッタなど
・バッタの抜け殻や卵、バッタ以外の虫も紹介。
・名前、草を食べるための口の形、足(特にジャンプする後ろ足)、体の色
・先生の話から、バッタの飼い方を知る(エサの種類や与え方、飼育ケース)
・敵からにげるためにジャンプする後ろ足を見ます。手に持って確かめます。
・草を食べるための口をみます。
・カマキリや鳥に見つからないように、体の色を周りと同じ色にしています。
バッタの観察

◆虫が鳴く仕組みなど先生の話を聞く
・スズムシの鳴く仕組み(羽をこすり合わせて鳴く。模型を提示)
・カマキリのカマって?(実物のカマ)
・バッタの足はどうなっている?
・コオロギやスズムシ(オスだけ)はどうやって鳴くのでしょうか?

私は、長年スズムシを育ててきました。秋になって死ぬと、羽だけがのこります。オスはメスに食べられてしまうことが多いのですが・・・。

片方の羽(下の図では左側)のはじっこに固いつめのような部分(図では黒)があります。もう一方の羽には固いくしの歯のようなギザギザがあります。羽をふるわせると、この二つがこすれあって音が出ます。しかも、羽の真ん中はうすくなっているので共鳴盤(スピーカー?)の役目をはたして、鳴き声が大きくなってひびくのです。
スズムシの鳴く仕組み

コロコロコロ(ぼくはここにいるよ)、コロコロリー(メスをさそう)、キリキリ、チ・チチ(けんか)など、コオロギの鳴き方には意味があります。人間の言葉と同じです。ネットで「コオロギの鳴く仕組み NHK for School」を見ると、2分間の映像でバッチリ見せてくれます。

スズムシの鳴く仕組み

③作って遊ぼう(バッタのパッチン)

昔からよくある「パッチン」遊びです。パッチンは、幼稚園・保育園や小学校低学年でやったことのある子どももいるでしょう。

ショウリョウバッタとトノアマバッタが、飛びはねると、飛んでいる絵に変わります。表には、ショウリョウバッタと、トノサマバッタの絵。裏には、羽を広げてとんでいる絵です。パッチン!と飛びはねると、飛んでいる絵に変わります。「家でつくってみようね」と言って、コオロギとカマキリの型紙の絵も渡しました。
バッタのパッチン(表)
バッタのパッチン(裏)

◆作り方
①ショウリョウバッタとトノサマバッタの静止イラストと、飛翔イラスト(2種類(静止・飛翔で4枚)を型紙から切り抜いて、パッチン(板目紙)の表と裏に貼ります。表面に静止イラスト、裏面に飛翔イラストを貼ります。
②切り込みを入れて、真ん中に少し開けて、セロテープで両面から2枚の板目紙をつなげます。
③輪ゴムをクロスして掛けます。
④手を放すと、ピョント飛びあがって、静止⇒飛翔 に絵が変わります。

バッタのパッチンづくり①

バッタのパッチンで遊ぶ

2.教材・材料

①バッタ(ショウリョウバッタ、オンブバッタなど)の飼い方

・容器:横30㎝ぐらいの飼育容器。下には何も入れません。
・えさ:500mmのペットボトルを図のように切った草(葉のすじがたてになっている=イネ科)。

・多くのバッタは、イネ科の葉を何でも食べます。エノコログサ(ねこじゃらし)、ススキ・オヒシバなど。ただし、オンブバッタは、そのほかの植物の葉も食べます。子どもには、「(絵にかいてみせながら)草は2種類あります。このように縦にすじが入ったものなら何でも食べます」と、教えます。

草を根っこごと抜いてペットボトルに水を入れてさしてやります。上のほうをハサミでちょんと切って入れます。バッタは、飛びついてよく食べます。容器の端の方に置きます。

・えさ替え:容器の端の方に、古くなったものがあるので、反対側に新しい餌を入れたものを置きます。すぐ、そちらに「引っ越します」。次の日、古いものを出します。1週間に1回か2回でいいでしょう。たくさんいるときは、もっと頻繁に替えます。

・産卵:オスとメスがいると、何日かして容器の壁に卵を産むのを見ることができます。「初めて見た」という子が多いでしょう(大人でもネ!)。

・掃除:容器の底に枯れた葉がたまったら出して下さい。草食なので、ふんはすぐ乾きます。草と一緒に取ってやります。容器は、窓際で日光に当てた方がいいようです。

・観察:草を食べる様子をよく見ることができます。「草を食べるバッタの口はどうなっているかな?」と聞くと、体の様子をよく見てリアルに絵も書きます。

②トノサマバッタ(育て方は上記と同じです。)

オス・メスが何匹もいると土の中に卵を産卵します。プラスチックパックなどに土か砂を口まで入れて、容器のはじに置いておくと、うまくいくと卵をここに産みます。リンゴを少しやるとよく食べて元気になります。トノサマバッタは、できるだけ大きな容器がいいようです。

③かまきり

別の容器に入れて、バッタを餌にして飼えます。はじめは「やだー」と言っている子どもも、虫は生きるために食べなければならないことが分かり餌を食べる様子をよく見ます。

④ぱっちんの材料

板目紙 輪ゴム バッタの絵の用紙(2種類(静止・飛翔で4枚)
・道具:はさみ 両面テープ フェルトペン(目を書く)

⑤オンブバッタ

オンブバッタは、ショウリョウバッタににていますが、大きさはすこし小さいです。メスの上にオスがのったままあちこちに動きます。オンブバッタは、おんぶされているように見えますが、交尾の後そのままの状態で移動します。オンブバッタは、葉の広い双子葉植物を食べます。アサガオの葉や畑や花壇の葉をいろいろとたべます。

3.本の紹介

身近な虫の本はたくさんあります。最近は、虫のおもしろい生態を書いたものが書店に並んでいます。「科学のアルバムシリーズ」はどの小学校の学校図書館にもあるロングセラーです。1970年代に発刊され、2000年代に改訂されました。


身近な虫たちを楽しく学ぶことができます。
一つの虫に注目して詳しく学ぶことも有効です。



小さいお子さんには大人が読み聞かせしてあげると、中学年になると自分でも手に取ってみたくなるような虫の生活が書かれています。良い本は長続きするというお手本です。

4.保護者の方の声

◆今回も、とっても楽しかったようです。親も一緒になって楽しんでしまいました。そういう仕組みになっていて、そんなふうにないていたんだ!!ととても面白かったです。

◆帰りにおもしろいよね~と子どもと話しながら帰ってきました。

◆最近、「トカゲをつかまえて飼いたい」と言っていたのですが、終わった後は「バッタ飼いたい!」と興奮していました。

◆今まではつかまえてきたとしても、バッタだけ虫かごにいれて、エサも与えず、、、ということもありましたが、具体的にどうエサをあげるかとかわかって、とても良かったです。

◆私が虫は苦手で、飼うことに消極的でしたが、今回子どもと一緒に話を聞いて、いろんなことを知った感動が、単に虫がイヤ、という気持ちじゃなく、一緒に飼ってみようかな、と思っていて自分でもびっくりです。

5.参考:キッズサイエンス通信

当日に配布した資料です。

キッズ通信4号 秋の虫(表面)
キッズ通信4号裏面(バッタ)


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